スズだ。敦盛と望美と共に厳島に取った宿から、僕は独り月を見上げている。

 月を見ながらの一杯の牛乳も、乙なものだ。

 経盛殿、経正殿。望美が散華に託した祈りは、あなた達の元へ届いただろうか。

 敦盛の中にある追憶も、祝言を挙げ望美と紡ぐ幸せも、等しく尊いものだ。

 猫の身でも、あなた達の代わりにずっと二人を見守ろう。

                                              スズ


 

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